土地選びのワンポイントアドバイス 11
2024年09月29日
土地の予算を決めて物件を見に行く前に候補の住宅会社を決めましょう
(個別の現場見学、バス見学会、工場見学会等の参加は住宅会社選びの必須イベントです!)
今回は超ラッキ~!
知る人ぞ知る伝説の見付太郎 復活の回です( ´∀` )
今回の登場人物
僕(良地得太郎 35歳)・妻(夢見子 31歳)・息子(家継 4歳)
土地選び案内人(たまたまご縁不動産 見付太郎 54歳)
正式な読み方は『みつけたろう』 あだ名は『みっけたろう』
見付太郎「先ほど土地の予算を決めるに当たり、安易に建物の予算を縮小するべきではありませんとお伝えしました。
大切な家族を自然(通常の雨、風はもちろん、太陽の紫外線、季節による暑さ寒さ、そして地震、火災、台風や竜巻等の風災害、洪水や津波の水害、そして最近多い土砂災害等の災害)から守ってくれる住まい、大切な家族と共に幸せな生活を営む為の住まい。
住まいは日常生活の場としての機能はもちろん、そこに住まう人を様々な天災、人災から守ってくれるシェルターの役割も担っています。
大切な家族の命を守ってくれる役割があるのです。ここは非常に大事なポイントです。」
僕「静岡県は南海トラフ巨大地震や東南海地震が心配ですしね。全国的には地震や津波も怖いですが、土砂災害や台風被害・大雨による河川の氾濫による浸水被害も多いですね。」
見付太郎「本当に多いですね。自然災害はいつどこで起こるか分かりませんから、いつ来てもいいように備えておくしかないですね。
そこで良地さんにとって本当に安心安全を担保できる建物を検討し、どの会社で建築を依頼するのが安心なのかを事前に検討しておかなければなりません。」
僕「なるほど・・・」
見付太郎「住宅展示場はもちろん、実際に建てた方の住宅を見せてもらい、先輩オーナーに話を聞いてみるのが良いでしょう。親、兄弟、友人、知人、会社の先輩、同僚、上司などであなたが検討中の住宅会社で建築された先輩オーナーが居れば是非訪問し話を聞いてみることをお薦めします。どのような工法なのか、長所、短所も含め聞ける範囲で聞いてみて下さい。『今、自分も真剣にマイホーム取得のための勉強をしていて参考にしたい』と聞けば、聞かれた側も真剣にアドバイスしてくれるでしょう。」
僕「それなら会社の先輩に聞いてみようかな・・・」
見付太郎「いいですね。是非聞いてみて下さい。住宅会社によってはバス見学会を開催しているとこもありますので是非利用してみることです。建築途中の現場や入居宅の訪問が盛り込まれているので展示場以上に参考になると思います。また、建物見学会などは他の検討中のお客様がどのようなことを営業担当者や設計士と話をしているのか?どんなことを気にかけているのかも聞くことができたりします。もしかすると他のお客様と情報交換することも出来るかもしれません。
そのように動くことで話を聞いた住宅会社の『ベクトル(方向と強さ)』がわかってきます。
僕「なるほど、確かに先輩も現場見学会は参考になると言っていました。」
見付太郎「候補の住宅会社をこの段階である程度決めておくことは今後の『土地選び』に大きな方向性をもたらす事になります。逆に、この段階で候補の住宅会社を決めておかないと、そもそも『建物予算』が把握できませんので『土地予算』をいくにするのかの目安が出ませんし、その住宅会社で検討した場合の『土地概算費+建物概算費=合計概算費(諸費用含む)』が判断できません。全体の総支払額もわからないし、毎月の支払額やボーナス時の返済額もわからない。
僕「言われてみれば、確かにそうですね。」
見付太郎「そのような状態で住宅営業マンから『お客様のご要望の土地がみつかりました。すぐに見に行き検討しましょう。早くしないと売れちゃいますから!』と営業されて慌てて検討することになってしまいます。
まだ具体的な土地の予算もしっかり算出できていないのに・・・。
そもそも『何となくの予算』ではダメですよね。
『根拠のある資金計画に基づく土地予算』でなければ・・・。
最終決定する際の一番の不安材料はやはり『お金』なんです。
僕「確かに・・・そうですね」
見付太郎「私も過去、15年程住宅会社の営業マンでしたので・・・何となくわかるのですが・・・この部分は商談の序盤で住宅会社の営業マンは、あまり触れたくない部分かもしれません。下手にしゃべって何も提案できていない状態なのに『高!』と思われて次回の商談アポに繋がらないようでは元も子もないので・・・。」
僕「そうだったんですね・・・ですが私も仕事は営業をしているので・・・その気持ちわかります。」
見付太郎「そうなんですね。ですが今振り返って考えると本当はこの『根拠のある資金計画』をきっちり、きっちりお客様と打ち合わせできたか?が一番大事だと思っています。逆にこの部分を『適当』とは表現が正確ではないかもしれませんが、あやふやな感じで、場合によっては『お茶を濁す感じで』お客様とのコンセンサスが十分取れていない状況ですと、お客様は商談の始めから最後までずっと不安を抱えながらその住宅会社と商談することになりますよね。」
僕「なるほど、確かにそうですよね」
見付太郎「住宅会社の営業担当者様にとっては相当な勇気は必要ですが・・・
仮に自社の建物商品の価格と品質の関係性を十分お伝え出来ていて、お客様も商品のクオリティーと価格を十分理解できていれば・・・『お互いwin・win』の一社検討が初めて可能になります。」
僕「確かに・・・そういう関係性が出来れば一番いいですよね~。」
見付太郎「仮に目安の大きさで予算オーバーするのなら、価格に直結する建物の大きさは減坪等を含めた設計の工夫・提案力により予算は調整可能です。これが『具体的に土地を見に行く前の準備』です。
尚、この部分はどんなに時間をかけて頂いても問題ありません。数社の同時比較はこの段階でおこなっていただき、そこで一番しっくりくる住宅会社と一緒に土地選びをするのがお勧めです。」
僕「なるほど・・・」
見付太郎「候補の住宅会社が一社に決まっていないと、いざ『候補にしても良さそうな土地』に巡り合えたとしても速やかにプラン作成の提案もしてもらえなかったりしますし、仮にプラン作成していただけたとしても複数の住宅会社との同時商談では『バラバラな商談スピード・商談方法』となることがほとんどですからお客様が求めている一番知りたい、『この候補地に対するプランと見積もり』の確認に時間が掛かりすぎてしまいます。
『土地は一点もの』
候補地が決まったら早めにしっかり検討し、早めに意思決定することが大事なのはいつの時代も事実です。その時に候補の住宅会社がある程度決まっていれば、すぐにプラン作成及び資金計画の検討ができます。
そして、その気に入った土地が『買ってもいい土地なのか?』『買ってはいけない土地なのか』の見極めと判断ができます。
『買ってもいい土地』と判断できれば当然ですが『土地の申し込み=買い付け証明書の提出』となります。
この判断がスムーズにできるのは、土地選びの前段階で建築会社を絞っていて、その住宅会社や担当者を信頼しているからです。そこが出来ていないと、速やかな決断は不可能です。」
僕「そうか~、確かにその通りですね。一社に絞った上で『土地選び』したほうが効率的だし、安心ですね」
見付太郎「また、この段階で複数のメーカーを同時検討してしまうと起こりえる話として・・・
A社では『当社は建築できます』
B社では『当社では安全性の問題から建築できません』
C社では『お金を掛ければ建築できますが・・・あまりお勧めではない土地です。当社所有のこちらの建築条件付き土地いかがでしょうか?』
等々、バラバラな回答をされて、また迷ってしまい判断が出来なくなってしまうことが多いと思います。
僕「確かに、競合プレゼンだと・・・それも有り得る話しですね」
見付太郎「そうなんですよ。でも、実際には・・・ほとんどのお客様がその段階で、まだ住宅会社選びが出来ていないまま、土地を探してしまっているのです。お客様の立場で考えれば、それはそうですよね。場合によってはその会社と話はしているけど本当は商品についてというよりも自分たちの求める家として相応しいかわからず悩んでいるのですから。
よくあるケースでは『資金』が不安で、その会社1社に絞り込むことが出来ていないからです。
ですから自己防衛策として複数の候補の住宅会社を同時検討しますよね。もし、私がごく普通の一般人で不動産の事や建築に詳しくないのであれば・・・どのように検討を進めていけば良いのかわからないので・・・そのように行動すると思います。
ですが・・・これはあくまで私からのご提案ですが・・・
私個人の場合・・・これは何を購入するかは別にして・・・『この会社に任せよう』って思ったら常に1社検討です。お金の部分が不安になるようなお買い物でしたら尚更です。その会社の『基本スタンスやベクトルの向き』を事前に検討しておき、初回折衝時に最も大切な『お金の不安を消去してから』その商品の購入の為の商談に臨みます。もっと言えば事前準備の段階で徹底的に自分なりの調査を行い、自分自身のスタンスを決めてから行動しています。ですから最終的な金額は当然ですが自分の夢を実現するために必要な費用として、一切値引き交渉などせずに商品を購入します。それが正規で妥当な価格であると信じて。もちろん担当営業マンへも最初からそのように伝えておきます。そうすると・・・ほとんど全ての担当営業マンは私の期待以上の提案とサービスをしてくれます。
ですからお互いwin・winの関係で契約しています。
良地さんも普段のお仕事で営業マンという事であれば・・・この気持ち分かりますよね。
僕「すごく分かります。こんな風にお客様と関係性が築けたら、マジで物凄く頑張っちゃうと思います。」
見付太郎「そうなんですよ。これって、あまり知られていない超裏技ですよね。
そもそも『注文住宅』なんですから、住宅会社もお客様のご注文に合わせプラン作成しています。
お客様のご要望に100%以上で応えようと住宅営業マンや設計士、関係会社の人たち、私も含めた取引関係業者も一生懸命頑張っています。最近ですと自宅でリモートで仕事もできますから、残業になろうが、午前様になろうが・・・。
『お客様にとってのマイホーム造りのチーム』の人たちの努力と知恵の結晶として建物プラン及びそれに伴うお見積り書が提出されます。ご提示の価格はきっと嘘偽りのない正規の価格です。もちろん『お互いwin・win』になる為の。
ですから私は提示された見積もりに対して値引き要求など、申し訳なくてとてもできません。
金額が予想外に高く、合わないのであれば『どうすれば自分の予算に近づけることが出来るか?』を真摯に営業担当者や設計士に相談します。そうすれば相談された側も真摯に相談に乗ってくれ、最良の解決策を提案してくれます。
しかし、複数の同時検討では・・・正直厳しいかもしれません。各会社の思惑に惑わされ、更に悩むことになるでしょう。
一般的にほとんどのお客様がそのまま候補になるかどうかも本当はまだ良く分からない中で、とりあえず数社に競合プレゼン提案をさせ、住宅会社選びをしています。当然ですが、土地案内のその日に結論は出せません。
この点はお客様もごく自然な行動として競合させておりますから仕方ない部分もありますが、『この進め方、やり方』はどうなのだろう?と毎回いつも、本当に思います。
その方にとっては、その時点の数社はどこも候補の住宅会社ではあるかもしれませんが、住宅会社側からすれば競合状態ですから『お客様の意向を最重視した提案』というより、『いかに競合他社の戦略を検討しながら、自社での建物契約受注できるか?の提案』となってしまいます。
これでは『本当にお客様想いの最良のマイホームのご提案(コンサルティング)』につながるはずもありません。」
僕「自分の仕事でもよくあります」
見付太郎「営業の経験がおありの方なら誰しも有りますよね。それでも・・・やはり・・・あくまで一不動産業者から見ればお客様自身が検討する順番がそもそも間違っているのでは?と感じてしまいます。このような状態でしたらそもそも土地を見に行く段階ではないのです。
僕「なるほど、そうかもしれません」
見付太郎「 競合の1社は明日プレゼンをしてくれるかもしれませんが、もう1社は翌週の展示会のアポイントを経て、そのさらに翌週に土地案内・・・。そのまま土地が見つかれば更に翌週建物プランの提案と概算見積書のご提出・・・。要するに複数の住宅会社を土地選びの局面まで同時検討してしまうと、それぞれの住宅会社のそのタイミングでの立ち位置によって、本意ではありませんが『足を引っ張るような営業トーク』や最悪のケースですと『他社の誹謗中傷合戦』を誘発してしまい、結局のところ『お客様自身が悩むだけ』になってしまいます。
確かに競合プレゼンは昔から建物を検討するお客様は常ですし否定はしません。もちろん私もそのように営業してきました。しかし不動産屋さんになって改めて感じたこと・分かったことは、既に『土地がある人』や『建替えのお客様、時間的制約が一切ないお客様』はそれでも良いでしょう。
ですが良地さん・・・あなたは『土地から』購入のお客様です。
土地選びの最終局面で決断する際は・・・こちらも焦らすことが本意ではありませんが・・・
現実的には・・・どうしても一点ものの『土地購入』ですから判断は早くする必要があります。
やはり土地を具体的に探す前、見に行く前に候補の住宅会社=パートナーをある程度決めておく必要があります。
『土地から』購入ですから最初は具体的な土地がその時点で無くても問題ありません。
具体的な間取りを比較検討しなくても、住宅会社や担当者の本質を判断する材料は他にも山ほどあります。
提案力やサポート体制も含めてしっかり検討することが大事です。」
僕「なるほど、目から鱗です。その通りかもしれません。僕たちもそんな感じで進めようと考えていました。でも全く逆でした。ありがとうございます。」
夢見子「本当に。良く分かりました。」
見付太郎「ありがとうございます。そこを理解していただくことは今日お伝えしたい最大のポイントの一つです。住宅会社の担当者にあなたがおおよそ必要な家の大きさを伝えれば、大体の建物本体予算が出てきます。
仮に4人家族で一般的な大きさ32坪(4人×8坪/人…一般的な目安は7~8坪/人)とし、仮に・・・
坪単価110万円の建物でしたら3520万円(消費税込み3872万円)となります。
坪単価100万円の建物でしたら3200万円(消費税込み3520万円)となります。
尚、坪単価の高さと建物のクオリティーは通常一致しており『なぜ高価なのか?』の理由を知ることが大事です。
初期投資が相対的に高価でも長い目で見たら逆に安価(お得)ということもあるのです。
全く同じクオリティーでわざわざ高い方を選択する人はほとんどいませんが、その違いをしっかり理解されたお客様は一見高いと思われがちな高性能で高価な住宅でも購入されている方が大勢いらっしゃいます。
またこのような価値観を持って購入された方は相対的に満足度も高いと思います。
当然新築時に住宅ローンを組みますので相対的に高いコスト部分の差額も毎月の返済に含めて支払うことが出来ますが、逆に最初に安価な住宅はそれなりの理由が有ります。10~15年後くらいから外壁塗装や床下防蟻処理等のメンテナンス費用として合計100~150万円のお金がかかり始めます。ちょうどお子さんの教育資金がピークに達する時期とほぼ重なると思ってください。その時は当初の返済額に追加で短期間のリフォームローンを組み二重の返済をするか、お手持ちの現金一括で支払うかのどちらかを選択することになります。その時お金が工面できなくて放置すれば下地の外壁がどんどん劣化し最終的には塗装では対応できず外壁全面貼り替えの必要性も出てきます。こうなってしまうともはや数百万円はかかってしまいます。要するに住宅も自動車と同様車検や日常のメンテナンスが必要なのです。
そのメンテナンスサイクルがどのくらいなのか、その時のメンテナンス及び修繕費用がどのくらいなのかを知っておくことも大切です。」
僕「なるほど。最初の先行投資も必要ってことですね。」
見付太郎「その通りです。無駄なものには1円だってかけたくはないですよね。無意味にお金は使う必要はありません。でも本当に必要であればその対価を支払うことは普通にあることです。ご自身のお仕事に置き換えてみると良く分かると思います。『本当はこちらの商品がお勧めだけど、今回のお客様(クライアント様)は予算の関係でこちらの商品を提案しておこう。本当はこちらの方が良いけど・・・』的なことです。」
僕「たしかに自分の仕事に置き換えると分かりやすいですね。」
見付太郎「どんなものでも『金額の差はクオリティーの差』です。」