土地選びのワンポイントアドバイス 18

2024年09月30日

土地案内中 南側道路以外に面した土地での会話


南側道路以外の道路に面した土地は通常敷地の南側に建物が建っている場合が一般的です。たまたま南側に建物が無く、見学したときに日当たりや通風、眺望が良かったとしてもあなたが家を建てたすぐ後からその南側の土地に大きな又は高さの高い建物が建築されるかもしれません。この場合たまたま建物が無くても南側に建物が建つことを想定してプランを検討することが大事です。

 

仮に目の前に2階建の大きな建物が建ったとしても1階のリビングを明るくする方法はいくらでもあります。

人気テレビ番組の『劇的ビフォーアフター』を見ているとどんなに条件が悪い敷地でも様々な工夫で見違える家に変身するのはご存じの通りです。
但しご新居の全ての部屋に日中燦々と太陽の光が降り注ぐのは現実問題難しいと思います。

ポイントはいくつかありますが下記の①~④をご検討下さい。


どの部屋を優先的に明るくしたいか?
日当たりを優先したい部屋で日中のどの時間帯にどのように過ごしたいか?それによって建物のプラン構成はガラッと変わります。

例えばご主人様奥様とも平日のお仕事で日中不在の事も多いかもしれません。その場合ご夫婦それぞれ一般的な在宅時の休日の過ごし方をイメージしてみて下さい。
これまでのご自身の午前中の過ごし方、午後の過ごし方を思い起こしてみて下さい。ただし今現在のお住まいと、新たに土地を購入し家を建てた場合の過ごし方ではやりたいことが変わるかもしれません。これまで同様の過ごし方でご新居でも変わらない部分、そしてご新居ができたら新しく休日にやりたいこと、チャレンジしてみたいことがあればそれを行っているご自身をイメージしてみて下さい。趣味だけでも(例えば音楽鑑賞・映画鑑賞・読書・自己啓発の勉強・洗車・趣味の道具のメンテナンス・ガーデニング・料理等・・・)考えればきりがないと思います。中には昼過ぎまでゆっくり寝ていたい人もあるかもしれません。休日には趣味又は買い物等で外出が多くあまり家には居ないという人もいるかもしれませんが、とりあえず休日に家に居る場合の事を考えてみて下さい。
その時にそれは太陽が燦々と降り注ぐ日当たりの良い場所でなければならないのか?むしろある程度の明るさは必要でも日当たりはさほど必要ではないかもしれません。また太陽の直射日光よりも北側の光(明るさがまぶしくなく安定している)方が向いている場合もあります。

 

② 光を取りこむための窓の位置、大きさ、種類を検討する。

家の中に直射日光を取り入れるためには午前中は南東、正午は南、午後は南西の方向の出来るだけ高い位置の壁や屋根面に透明ガラスを設置すれば解決できることもあります。透明ガラスの採用目的として主に外部の景観を楽しむ又は外部の景観を建物内に取り込む(借景)の意図があります。逆にプライバシーの観点から外部からの視線をさえぎる必要性もあるためカーテンやブラインドの設置が必然的に発生します。もちろんコストもかかります。同時に透明ガラスの配置場所が手の届かない場所にある場合、ガラスが汚れた場合の清掃をどのように行うか検討しておかなければなりません。ガラスの掃除が透明ガラスほど気にすることなく、明るさを求めつつ外部からの視線をさえぎる方法として型ガラス(昔で言う曇りガラス)を採用する方法もあります。吹き抜けや勾配天井に設けた透明ガラスに鳥の糞などの汚れがあれば掃除したくなりますね。若いうちはご自身で梯子などを掛けて掃除できるかもしれませんが年を取り、足腰が不自由になると危険かもしれません。その場合、清掃業者にお金を払って掃除してもらうか、そのまま汚れたままにしておくかだと思います。よく検討してご採用下さい。

 

③ 建物形状から検討する

真四角総2階建の平凡なプランでは1階の日当たり(と言うより明るさ)はあまり期待できません。真四角総2階のプランと比べ多少コストはかかるかもしれませんが自由設計で建物外部の形状に変化を持たせ適宜窓ガラスを配置すればどの方向からも明るさは取りこむことができます。入隅出隅の多い建物は形状が複雑になればなるほど基礎の長さ、柱の本数、外壁の長さ、役物(建物外部の壁材の角の材料)の数量が増え、建築コストはかかります。ただしそこを安く済ませ快適な住空間まで犠牲にしているとすれば逆に勿体ない話です。仮に建物予算の坪単価が5万円UPしたとしてもその方がよっぽど快適な住居になる場合もあります。

 

④ 勾配天井や吹き抜けの採用を検討してみる

また、多少冷暖房費はかかるかもしれませんが勾配天井や吹き抜けを採用すれば光と風を取りこむことが容易となります。最近の住宅は断熱性が優れているため全室全館丸ごと一つの空間として考えることもできるため積極的に取り入れてほしいと思います。