土地選びのワンポイントアドバイス 20

2024年09月30日

購入申込書(買付証明書)の記入


これまで『じっくり』検討してきた土地を購入することを決心できたら購入申込書(買付証明書)を書きます。

購入金額や手付金の額、その他取引条件を確認の上記入します。

手付金とはその交付による契約締結後、売主買主双方とも契約を解除する場合、解除金の性格を持ちます(手付解除)。

要するに契約解除したい場合はできますが、手付金は放棄して頂きますので戻ってきません。

逆に売主が売るのをやめることもできますがその場合、支払った手付金は当然返金してもらい、なお且つ手付金同等額を頂きます。(いわゆる手付金の倍返し)
一般的に手付金は代金の10%が目安ですがお手持ちの自己資金の関係等により10%より少なくしたい場合は事前にご相談下さい。尚、手付金は決済時に代金の一部に充当致します。
価格交渉等、取引条件を交渉する場合はこの段階で行って下さい。

 

但し、気に入った物件を少しでもお得に買いたい気持ちは十分わかりますが、そこで価格交渉に時間を掛けたばかりに『売主希望価格満額で買いたい!』という2番手の買主にあっさり奪われることは本当によくあります。売主様は少しでも高く買ってくれる買主を選びますから当然です。

ここが通常のお買い物と違い『全く同じものが2つとない買い物』の特徴なのかもしれません。

 

先ほどご説明した地中埋設物に関する売主の責任についての記載もお忘れなく。

尚、申込書(買付証明書)を提出した以後に価格交渉及び売主に費用負担が生じる内容の交渉を追加するのはマナー違反だと思って下さい。

 

また、よくある買い付け証明書提出に関する認識の間違いなのでしょうか?

買付証明書を出してから検討ではありません。

買付証明書は『この条件で、この金額で、条件が整った場合は買います!』という書面です。

時々、住宅会社様の営業担当者様で『気に入ったのなら、ほかの人に取られないように買い付けを出して1~2週間(場合によっては1ヶ月近くも)商談中として止めておきましょう!』みたいな営業トークを聞きますが、それは不動産業界としてはアウトですね。どちらかというと住宅会社様のご都合でそのようなご認識を持たれている方を時々見受けられますが・・・そうではありません。このような説明や認識で提出された買い付け証明書は私の経験上、ほとんどがキャンセルになります。

 

購入検討者(買付け証明書提出者)からお預かりした不動産仲介業者は、その買い付け書面を持って、売主の契約条件の合意の取り付けと最終的な物件再調査、役所の再確認調査、事務書類の作成を行います。その時点でいろいろな人が契約成立に向けて動くのです。そしてそのための作業期間として1~2週間必要なのです。

買い付けを提出した買主様がそこから検討できる期間ではありません。

あくまで買主様は購入前提でのご提出をお願いいたします。

住宅ローンの事前審査がまだ未提出の方は必ずこのタイミングでお願いいたします。

どんなに遅くとも、契約締結日の前には『住宅ローンの事前審査の通過』は取り付けてください。

 

仲介業者に希望条件を伝え、その返答を確認しながら記入します。

また売主も売りたい気持ちはありますが、あまりにも『提示された条件』が売主の希望条件と合わなければ申し込みを断る権利を持っています。

売主や売主側業者の考える条件に『あまりにも乖離の大きい合わない買い付け』の場合、相手方を怒らせてしまい『あなたには売らない』となってしまう可能性もあります。

条件を検討する際、あなたが売主の立場になった場合を想像していただくと理解がしやすいと思います。もちろん交渉も大事ですが取引を気持ちよく行えるように振る舞うことも同時に求められます。

その点はご承知おき下さい。


また先にも触れましたが購入申込書(買付証明書)は売主様へ『この土地買います』という明確な意思表示です。

民法の規定では書面でなくても口頭で『あなたから買います』と言い相手方(売主)が『あなたに売ります』と言えば契約成立です。書面が無くても良いのです。
但し不動産の売買取引においては慣例的に購入申込書(買付証明書)を書いて相手方に送付することで意志表示するのが一般的です。これはFAXやメールでも構いません。意志表示の日時が大事です。最近では認め印が無くても署名で大丈夫です。
余談かもしれませんが何故口頭でなく書面で送るのかと言えばほぼ同時に同条件(価格や取引条件)が同じ買い手が複数あった場合、先着順となることが一般的だからです。

また複数の申し込みがほぼ同時にあった場合、後から申し込みする人が先に申し込みした人より売主にとって良い条件(売主が提示している正規の価格又は先の申込者より上乗せして高く買っても良いと意思表示した場合など)で購入したいと言えば、売主とすれば後から申し込みしてくれた人と契約したいと思うかもしれません。

そうならない為にも価格交渉は慎重に相手を見極めながら尚且つ早めに書くことをお薦めします。

 

購入申込書を送付し相手方(売主又は売主側の仲介業者)から『申込書の受領』及び『申込内容の了承』が得られれば一安心です。次は重要事項説明を経て土地契約です。